冒頭、おそらく1巻で登場したフェルディナントルークス院に、マクスウェルがつれてこられた日の様子が描かれます。
妾の子であるがゆえに、さみしい思いのあまり、世の中全てを拒絶して、偉くなって見返してやるなんて…ちびっこさみしすぎるっ!!
マクスウェルは、両親に捨てられた理由を自分の出自に求めていますが、いくらカトリックだと言っても、私生児だからというだけで、孤児院送りにはしないと思うので、この辺、こどものいじらしさでもありますよね。
(不憫な子だ…涙)
そしてアンデルセンにみとられて、マクスウェル絶命。
アンデルセンにすれば、マクスウェルは家族のような存在だったはず。
それゆえにマクスウェルが大司教になって、神の力を道具のように使って、神を冒涜するような戦いをしたことにたいして、アンデルセンがけじめを付けたのは、当然だったと言えます。
ただし、けじめとはいえ、よほど悲しかったとは思うのですが、神父様ここで涙を流したりはしません。
そのままアンデルセンは第9次十字軍遠征熱狂的再征服の失敗を宣言して武装神父隊(この名前もスゴいですよね)のヴァチカンへの帰還を命じます。さらにこの時アンデルセンはミレニアムの目的、死の河の意味の全てを理解します。
つまり、少佐のねらいはアーカードの完全破壊であり、そのためにはアーカードが喰ったものすべてをリバース(笑)しきった状態、命が1つきりになった状態の時をつくった上で、攻撃しないといけないという事です。
さらに神罰の地上代行者であるアンデルセンがこのチャンスの場に居合わせて、吸血鬼アーカードに戦いを挑まないはずが無いという事も、少佐は重々承知の上だということ。
少佐の手のひらの上というのは面白くないものの、それでも戦わずにはいられないという心情が、人のためでなく神のために戦う人、アンデルセンらしいです。
そのころ、伯爵帰還の場面。
「おかえり伯爵」
「ただいま伯爵」
あの跪くポーズは、アーカードが開放されたとき(1巻第2話)そのままですよね。あのポーズは骨の髄までしみ込んだ下僕根性の証ですな(笑)
そしてセラスの頭くしゃくしゃして、「セラス ヴィクトリア」というときのヒゲ旦那の顔のやさしいことといったら…
なんだか遠洋漁業にでていた父さんが1年半ぶりで帰ってきて、父さん母さん、久々ご対面なのに、かえって言葉が出てこなくて気詰まりなところに、ひょっこりこどもが顔出して、父さん子供の頭なでてやってるよ…みたいな、串刺しの林の真ん中で、妙にホームしていたところに、アンデルセン乱入です!!(コートとマントのはたはたで、8の字のスゴい構図です)
そしてp81は1巻p116をそのまま踏襲。
(背景に描いてある文章は読めません。祈禱書かなにかのうつしなのかな??ご教示いただけるとありがたいです。)
アンデルセン神父の決めポーズも鮮やかに決まったところで、少佐大喜びのうちに、いよいよアーカードvsアンデルセン戦スタートです。
それにしても1巻の血文字では、フルネームでメッセージを書いてましたけど、アーカードがセラスのフルネームを口にしたのはこの時が最初で最後じゃないでしょうか?