いよいよロンドン上空にせまる飛行船団。

ミレニアム大隊各員大喜びです。

大戦末期に欧州から落ちのびるしかなかった彼らですから、欧州への帰還はまさに半世紀越しの悲願だったと言うことでしょう。

安全保障特別指導部では、各施設との通信途絶などから、いよいよ「戦争」が始まったことを知ります。それと同時に吸血鬼化した「売国奴」たちに一気に押し入られてしまいます。

(このときの会話からどうやらミレニアムはインテグラが本営にいるということは予想外だったことがわかります)

がそれも、いっときのこと。インテグラは2巻の頃とは比べものにならないくらい、堂に入った姐ごっぷり(笑)

バトラーもいい仕事しております。

ところで「あの世で伍長に鉄十字章をもらうといい」というセリフ。

「伍長」とは第一次世界大戦時に従軍していたヒトラーのこと。軍を退いた後にドイツ労働者党党首(総統)になるわけですが、軍人としては伍長どまりだったんですね。ちなみに鉄十字章は今もドイツにある、勲章の名前です。

結局乱入した吸血鬼たちはバトラーに瞬殺されるわけですが、前々から円卓会議メンバーの中にミレニアムへの内通者がいることを予想していたインテグラは実はペンウッド卿を疑っていたらしいのですが、結局彼はシロ。「私は無能かもしれんがひきょう者ではないよインテグラ」というセリフ、彼の人柄がよく出てます。

そしていよいよ飛行船団はロンドンへ。

地上では南米からようやくグレートブリテンまでたどり着いたアンデルセンがその影を見つめていたのでした…

ちなみにこのときのアンデルセンのつぶやき

All flesh is as grass, and all the glory of men as the flower of the grass. Because

The grass is withers and it’s flower fall away.

Amen !!

(すべて人は草のごとく、人の世の栄光もまた草の花のごとし。なぜなら草は枯れ花は散るものなれば。エイメン!!)

これは新約聖書ペテロ第一の手紙(1−24〜25)の引用。ようするに諸行無常とか盛者必衰ってやつです。「いい気になっていられんのも今のうちだコノヤロ」ってところでしょうか。

ちなみにペテロ第一の手紙のこの一節は旧約聖書イザヤ書の40章を引用したものなので、アンデルセンのセリフは孫引きってことになります(笑)

 

HELLSING 5巻第8話 

11/01/22

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