いよいよオペラ「魔弾の射手」が登場です。
というわけでそのまえに予習として、ざっくりあらすじ。
(第1幕)
17世紀後半。
補助森林官のマックスは、森林監督官のクーノの一人娘アガーテと相思相愛。
しきたりによって射撃大会で勝てば、アガーテとの結婚を認めてもらえる上に、正規の森林官に取り立ててもらえるという「逆タマ」がころがりこんでくることになっているのですが、このところマックス絶不調。
本番前の試射会では、あろうことか農夫のキリアンが優勝し、マックスは一発もあたらずますますピンチ。
それをみた同僚のカスパールが「もうこうなったら魔弾しかないでしょ」とそそのかします。
さらにマックスに魔弾ではるか上空の鷲をうちおとさせることで、魔弾の威力をアピール。ついにマックスを説得してしまいます。
ただしカスパールの手持ちの魔弾は使い切ってしまったから、今夜狼谷で待ち合わせして鋳造しようということに…
(第2幕)
心配性のアガーテは、ご先祖の肖像画が落ちてきて怪我をして不安になります。その上マックスが戻らないのでますます心配。
遅くなって戻ったマックスは、心配そうなアガーテをふりきるようにして狼谷に向かいます。
狼谷にはカスパールが一足先に到着。実は彼、魔王ザミエルと契約をしていて、人間の命を捧げる代わりに毎年魔弾を手に入れているのですが、生け贄を捧げられないと自分が生け贄にされてしまうというちょっと危ない橋を渡ってます。
この「魔弾」というのは、7発セット。6発は射手の思い通りになる弾。残りの一発はザミエルの思い通りになる弾という何とも物騒なシロモノ。
カスパールはザミエルに、ザミエルの弾でアガーテを撃てば、マックスもクーノも絶望して一石二鳥どころか一石三鳥、合計3つの命を捧げられるから3年契約を延ばしてくれるようもちかけます。
そこへ何も知らないマックス登場。
迷いつつも、決心を固めて怪しげな材料をグツグツ煮て魔弾を鋳造。
ひとつ、ふたつ…と作っていって、7つめが出来た時、地獄の蓋が開いてザミエル登場!!カスパールとマックスはその場に倒れてしまいます。
(第3幕)
翌朝気がついたマックスは7発の魔弾のうちの4発をもらって、試射会へ。マックスが3発を試写会で命中させたのをみたカスパールは、すかさず自分の魔弾をうちつくし、マックスの持つ1発がザミエルの弾となるようしくみます。
このころアガーテはいとこや村の娘たちの手を借りて花嫁衣装の準備中。
でも前の晩にみた夢でアガーテまたまた不安に。
しかもとどめに葬儀用の冠が、花嫁の冠の代わりに届いてしまい、娘たちもさすがにかける言葉もありません。
けれどアガーテたちは気を取り直して、隠者に貰った白ばらでかわりの冠をつくることにします。
いよいよ本番、射撃大会会場。
白いハトを的にマックスが撃った弾は、あわやアガーテに当たったかと思いきや、白バラのお守り効果でアガーテではなく、カスパールに命中。
カスパールは天とザミエルを呪いながら死んでいき、カスパールの魂はザミエルに奪われ、その体は魔王が関わっていることを知った村人によって谷底に捨てられます。
事情の説明を求められたマックスは、これまでのいきさつを告白。領主は一度はマックスの追放を言い渡すのですが、隠者の取りなしで1年の執行猶予。きちんとつとめれば、一年後にはアガーテと結婚できるということになり、寛大な処分にめでたしめでたし♪
先日紹介した「むかしばなし」が弾の数に限りがなかったのに比べ、こちらはよりぐっとドラマチックな仕上がりになってます。
とくにアガーテの心配性があだとなって、マックスをどんどん追いつめていくところがいい味です。
エンヒェン(アガーテのいとこ)みたいな、ちょっと無神経なところがあるけど、基本明るくて元気な子が相手なら、マックスももっと楽なんだろうなぁ(笑)
そういえばHELLSING5巻カバーにかかれている少佐の身分証(?)をみると、やはりモンティナ・マックスが本名のようなのですが、「魔弾の射手」の主人公と同名というのは、ちょっと意味深に思えてしまいます。