第4話の補足。
P60のアーカードの「心せよ亡霊を装いて戯れなば、汝 亡霊となるべし」というセリフですが、これは歌劇『魔弾の射手』の引用ではありません。
ネットであたりを付けて、参考文献をぺらぺらめくると…
「心せよ亡霊を装ひて戯れなば、亡霊となるべし」
カバラ戒律(文献P110)
このカバラ戒律については、出典がよくわかりません。
そして仮名づかいの変更はよしとして、HELLSINGの方をよく見ると「汝」の語がはいっているのですが、これがヒラコーオリジナルなのか、寺山修司以外の訳に基づくものなのか…(もしご存知の方がいらしたら、ご教示をお願いいたします!!)いずれにせよ「亡霊と戯れちゃったら、亡霊になっちゃってトーゼンなんだからってこと、肝に銘じておけよ〜」という意味。アーカード(ザミエル)からリップヴァーン(カスパール)への最後通牒としては、ぴったりのセリフです。
その後、クロムウェル1〜3号開放で炎上するSR-71と鉄雄やら鉄男(*)よろしく合体しちゃったアーカード、アドラーとの激突の瞬間(P74)の手描きのセリフは歌劇『魔弾の射手』から。
「よかろう!地獄の門に賭けて約束した!」
「ここにわしがいるぞ!」Hier bin ich!
1つ目のカスパールとの取引に応じた際のザミエルのセリフは問題ないのですが、2つ目のセリフ、7つ目の魔弾が出来た瞬間にザミエルが現れるときのセリフだと思われるのですが、HELLSINGでは「Heil den ich!」とかかれています。単純なミスなのか、それともそのままなら「Heal him I!」(彼を癒します、わたし!!)ということに…??
「ん〜…ナゾだ…」と悩みつつひとまず幕。
*アーカードのあのお姿を拝んで、大友克洋『AKIRA』の鉄雄と塚本晋也の映画『鉄男』を思い出したのは私だけではないはずっ!!(笑)